以前は不規則な勤務時間の仕事をしていた。

夜だったり昼だったり

そんな生活をしていると、睡眠時間はしっかり

取っていてもなにかと体調は優れなかった。

今は規則正しい勤務時間

何故か早寝早起きの習慣がついた。

夜は９時頃にはまぶたが勝手に閉じる

朝４時には目覚ましが鳴る前には目が覚める。

それが今のリズムになっている

休日も同じ時間に眠くなり目が覚める。

バイクに乗り出してからこの習慣が

物凄くマッチしていて

バイクに乗る為に本能が事前に体内時計を

調整していたのかもしれない。

令和3年9月4日

この日も朝６時前にはバイクを引っ張り出し

シートバックを取り付けたり暖気運転をして

出発の準備をする

目的地は大体ツーリングする1週間前には決まっている。

この日は椎葉村

理由は山の景色が好きだからもあるけど、

車やバイクが少なくのんびり走りやすいのが

一番の理由。

のんびりと国道327号線を走る

椎葉村が目的地だけどそれだけでどこを見てまわる

なんて決めてない。

椎葉村に入り最初に目に入った観光案内掲示板

その文字の方向にバイクを向ける。

大久保ヒノキ

本当にあるのか心配になる道を進み、

民家っぽい入り口にある看板に従うと

民家のお庭を駐車場にしたような場所にたどり着く

そこから徒歩で3分くらい

ブロッコリーみたいなデッカいヒノキが目の前に現れる。

樹齢は800年くらいだそう

沢山の人の手入れが無ければ倒木してそうな

枝分かれ。

今までどんな人達がこの木を支えてきたのか

ちょっとロマンチックな事を考えながら

眺める…蚊に邪魔されて撤退するまでは

それから来た道を戻りながら途中にある神社に立ち寄る。

十根川神社

ここも綺麗に手入れされていて、

柔らかな雰囲気を漂わせていた。

凛とした感じではなくフワッと緊張をほぐす感じ

いつもの神社と感じが違うのが不思議だった。

ここにも巨木が

八村杉

これも樹齢は800年超えているらしい。

真上が見えないくらい伸びている

幹回りも太さが半端なく

この杉も大切にされてきたんだな、

とまた干渉に浸る。

バイクに戻り水分補給をしてから

走り出す。

守り続ける。

形あるもの、無いもの

技術や理由もだけど、意志を次へ繋ぐ

昔から今までどれほどの意志が繋ぎ続けられたのだろう。

家族間での習慣、地区での習慣

そんな小規模な意志が今でも続いているものは

どれだけあるだろう。

景色を眺めながらぼんやり考える。

意味、手間、時間。

色んな理由で途絶えた習慣や文化があると思う

確かに、その意味や手間、時間やお金が省ければ

他の事にそれを使える。

ただ本当に省いた分、有効活用できているのだろうか

ただ面倒だからそれだけで廃れた物がいくつあるだろう

そんな事を思った。

そこに意志が繋がれば、このヒノキや杉のように

途方もない時を経ても次世代に続くのかもしれない。

利便性や生産性が優先される中、

人間はどれだけ余暇を有効活用できるのか

バイクを納車した日に来た滝で水遊びをしながら

考えるツーリングになった。

余暇をツーリングに使っている人間の戯言。

この文化も廃れてしまわない事を考えつつ

飽きるまで水遊びをした。